明治天皇はたくさんのエピソードが残されています。
可愛がっていた愛犬のお話です。
明治天皇誕生
明治天皇がお飼いになられた、狆のお話です。
明治天皇は、1852年11月3日にお生まれになりました。
その翌年、アメリカのペリーが日本に来航します。
狆を海外へ初めて連れて行ったのは、ペリーです。
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【狆と日本開国】日本初欧米に渡った犬|ペリーと狆
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犬好きな天皇
明治天皇は、とても犬がお好きでした。
今の明治神宮があった場所に、猟犬の飼育場がありました。
たくさんの種類の猟犬が、行き届いた管理をされ、飼育されていました。
明治宮殿の犬たち
明治22年、1889年、明治宮殿が落成され、お住まいになります。
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モデル狆を探した話|高村光雲|明治宮殿
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天皇の犬たちは、「表」と「奥」に分けられました。
「表」は猟犬たちです。
「奥」は座敷犬で、表には出て来ない犬です。
「奥」の犬
「奥」には、2匹の犬がいました。伏見宮親王が、海外で購入し、天皇へ献上した犬です。
英国産狆・オス「六」と、犬種不明猟犬・メス「花」です。
狆の六は、とても小さく、可愛らしい犬でした。
明治天皇・皇后の犬エピソード
六はとても小さく、いつも天皇の隣で、座布団の上に大人しく座っていました。
天皇が朝食を召し上がっていると、天皇の御膝にちょんちょんと手をかけて、ミルクをおねだりします。天皇はニコニコしながら、別の器にミルクを分け六に与えていました。
夜9時ごろになると、六は自分から天皇にお休みなさいのご挨拶をし、スタスタと自分の部屋へ帰って行きました。
皇后は3時のおやつの時間に、お菓子を与えていました。
皇后はお歌を作って、花はお歌を歌って、とおねだりしていました。
2匹とも賢く、躾が行き届いた子だったそうです。
天皇崩御の夜 エピソード
明治45年 1912年夏、天皇がご発病されます。
六と花は、医師たちの指示で、天皇から離されます。
すると、2匹とも絶食しました。誰が何を与えようとしても、食べません。
7月末の暑い夜、六は宮殿内に響き渡る声で悲鳴をあげました。
明治天皇、崩御。
宮殿内にいた人々が、六の声で崩御なさった、とわかったそうです。
六の死
崩御から一年後、六は亡くなりました。
六の死期について、官女だった山川三千子氏は「崩御から1週間後、絶食のまま死んだ」と記憶しています。
犬の研究者たちは、「一年後」としています。
私は悩んだ末、研究者たちの説を取りました。山川氏が「花ちゃん推し」で、六に興味がなかったこと(笑)、護国寺に六が皇族たちと共に埋葬されていて、研究者たちは山川氏の説も踏まえた上で、「一年後」と調査したのだろう、と。
花は、身体が大きいこともあり、体力を回復し、皇后と過ごしました。
山川氏が犬たちの絶食を「1週間」と記憶しています。
【動画】明治天皇の犬
引用
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お読みいただき、ありがとうございました。