長雨が続いたある日、茶々丸は朝ごはんをまったく食べませんでした。
台風や吹雪など低気圧のとき、愛犬がごはんを食べない、という経験はありませんか?
室内管理だけでは防ぎきれない要因
温湿度管理がとても重要、というお話を前にしました。
これだけ気を配っていても、どうにもならないことがあります。
それは、仔犬のときに獣医師から忠告されていました。
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気圧の変化
雨天が続くときは低気圧が影響していることが多く、気圧の低下は自律神経(特に副交感神経)に働きかけ、だるさや食欲低下を引き起こすことが知られています。
これは室内の温湿度をコントロールしても防げません。
シニア犬は気圧センサーとも言われる内耳や関節が敏感になりやすく、影響を受けやすい傾向があります。
日照不足
雨が続くと日光を浴びる時間が減り、セロトニンやビタミンDの生成が滞ります。
これが自律神経のバランスや、活動意欲・食欲に影響することがあります。
散歩不足による活動量低下
雨で散歩の頻度や時間が減ると、消費エネルギーが減り、単純に空腹感が湧きにくくなります。
気分的な要素
犬も飼い主の様子や部屋の雰囲気の変化(照明が暗い、換気ができないなど)を感じ取ることがあり、間接的に食欲へ影響する場合があります。
対策
- 室内でも軽い運動(知育トイやゆるい遊び)を取り入れて活動量を確保する
- 換気や照明で室内の明るさを保つ
- 気圧変化に敏感な子は、雨の前後で体調や食欲のパターンを記録しておくと傾向が掴みやすい
気圧が体に働きかけるメカニズム
仔犬のときに、獣医師から「どんなに気をつけても天候で不調になることがあります」と言われていました。
獣医師さんのその言葉は、まさに「気象病(気象関連症候群)」と呼ばれる現象を指していると思われます。
雨が上がってしばらくするとけろっとして食欲も戻るのですが、気圧と不調の関係をお話します。
内耳の気圧センサー
内耳には気圧の変化を感知するセンサー的な役割を持つ部分があり、気圧が低下するとここが刺激されます。
この情報は脳(視床下部)に伝わり、自律神経のバランスに影響を及ぼします。
自律神経の切り替わり
気圧が下がると交感神経から副交感神経優位への切り替わりが起こりやすくなります。
副交感神経が優位になること自体は本来リラックス方向ですが、急激・不規則な切り替わりがストレスとなり、以下のような反応が出ます。
- 消化管の動きの乱れ(食欲不振、時に嘔吐や下痢)
- だるさ、活動性の低下
- 眠気や逆に落ち着きのなさ
血管・体液のわずかな変化
気圧が下がると、体内の血管がわずかに拡張しやすくなると言われています。
これが血流分布の変化につながり、内臓機能に一時的な影響を与える可能性があります。
「雨が上がるとけろっと治る」理由
気圧が回復し平常に戻ると、自律神経の乱れも解消されやすいため、症状が比較的短時間で改善するのが気象病の特徴です。
これは感染症や炎症など「実質的な体の異常」ではなく、あくまで神経系の一時的な反応であることを裏付けています。
だからこそ検査をしても特に異常が見つからない、ということもよくあります。
影響を受けやすい要因
- シニア犬:自律神経の調整力そのものが加齢で低下しているため、若い頃より影響が出やすくなることがある
- もともと自律神経が敏感な個体:仔犬の頃から傾向がある子は、体質的なものである可能性が高い
- 短頭種:気道や呼吸の効率が元々低いため、気圧変化による軽微な酸素の取り込みにくさが重なりやすいとも言われる
茶々丸です! (汗)
気圧の変化パターン(急降下型か、緩やかな低気圧の停滞型か)と症状の出方には個体差
気圧アプリを、先輩狆飼い主ぽんぽこりんさんに教わりました。
それを見ていて、「来るなー」とは思うのですけれど、気圧変化のパターンによる違いは、個体差があります。
急降下型(台風接近など)
数時間〜半日で気圧が大きく下がるパターンです。
- 症状の出方:比較的急に、はっきりと現れやすい。前日まで元気だったのに、台風が近づく数時間前から急に食欲がなくなったり、そわそわ落ち着かなくなったりする
- タイミング:気圧が下がりきる「直前〜下がっている最中」に不調のピークが来ることが多い
- 回復:台風が通過して気圧が急に持ち直すと、症状も比較的早く(半日〜1日程度で)改善しやすい
- 例:台風が接近する前日の夕方から食欲が落ち、台風通過翌朝にはけろっと食べる、というようなパターン
緩やかな低気圧停滞型(梅雨の長雨など)
数日間、気圧があまり回復しないまま低い状態が続くパターンです。
- 症状の出方:急降下型ほどはっきりしないが、じわじわと元気がなくなる・食欲がやや落ちた状態がだらだら続く
- タイミング:「今日は特に悪い」という明確なピークが分かりにくく、数日単位で「そういえばここ数日食が細いな」と気づくことが多い
- 回復:気圧が緩やかにしか戻らないため、症状もすっきりとは治らず、梅雨明けなど気圧が本格的に安定するまでダラダラ続くことがある
- 例:梅雨入りしてからの1週間、毎日の食欲は「食べないわけではないが、いつもより残す」程度が続く
対処方法
対処方法は、静かに待つ、しかないんでしょうか。
環境面でできること
気圧センサーへの刺激を減らす
狆ブログを見ていると、暗いところにひきこもる、これですね!
- 静かで暗めの、いつも安心して過ごせる場所を用意する(ケージやクレートなど"巣"になる空間)
- テレビの音や来客など、余計な刺激を減らす。
気分転換になりすぎない程度の穏やかな刺激
- 完全に寝かせきるより、飼い主さんがそばで穏やかに撫でる、静かに声をかけるなど、副交感神経が過剰に傾きすぎないような軽い働きかけも助けになることがある。
食事面での工夫
無理に食べさせない、でも「食べやすさ」は用意しておく
- 消化に負担がかかりにくい、いつもより柔らかい・温かい状態のご飯を少量だけ出しておく
- 匂いが立つように少し温めると、食欲が落ちているときでも反応しやすくなることがある
- 一度に完食を求めず、少量を数回に分けて置いておく
水分だけは切らさない
- 食欲がなくても、脱水は避けたいので、水分摂取(飲水やスープ状のものなど)は意識して確保する
タイミングを見計らう
- 気圧が下がりきる前の「まだ元気なうち」に、消化の良いものを多めに与えておくのも一つの手(下り坂の予報が分かっている場合)
- 天気予報アプリで気圧の予測グラフを確認し、「今日は荒れそうだから食事は軽めに、無理強いしない日にしよう」と事前に構えておく
「待つ」以外に注意すべきサイン
以下が伴う場合は、単なる気象病を超えている可能性があるため、静かに待つだけでなく受診を検討したほうがよい場合があります。
- 24時間以上まったく食べない
- ぐったりして動かない、呼びかけへの反応が鈍い
- 嘔吐・下痢を繰り返す
- 震え、痙攣のような症状がある
基本的には「無理に食べさせようとせず、消化にやさしい選択肢をさりげなく用意しながら、体が回復するのを見守る」というのが軸になります。
茶々丸は朝晩の手作りおやつなど「食べやすいタイミングと形状」を意識してきました。気圧不調時にも同じ少量・高嗜好性・消化に優しいものを与えます。
なぜ「食べない」ことが体を守ることになるのか
茶々丸は日頃しっかり食べているので体重に変化はありません。天気が戻ると、その分までガツガツと食べます。
が、食べないときはとにかく何も食べなくなるので心配になります。
それは、身体がそうして自分を守っていることなんです。
消化にエネルギーを回さない
食べ物を消化するには、胃腸を動かすための血流やエネルギーがかなり必要です。
自律神経が乱れて体調が不安定なときに無理に消化活動を行うと、かえって体に負担がかかります。
「食べない」ことで、そのエネルギーを体調を立て直すことに回している、と考えられます。
副交感神経優位のときの自然な反応
気圧低下で副交感神経が優位になると、本来は「休息モード」に入ります。
食欲が落ちるのは、休息モードの一環として体が活動を抑えている状態とも言えます。
空腹感のシグナルが一時的に鈍る
体調が万全でないとき、動物は本能的に「今は食べるタイミングではない」と判断する仕組みを持っています。
これは野生動物にも見られる、体調不良時の自己防衛的な行動パターンです。
「戻ったらガツガツ食べる」ことの意味
良いサインです。
- 気圧が回復して自律神経が整うと、抑えられていた食欲が一気に戻る
- 体が「今は消化してもいい状態だ」と判断した証拠
- 体重に変化がないということは、トータルでのエネルギー収支がきちんと保たれている
つまり、「食べない時間」と「その後たくさん食べる時間」がセットになっているのは、体が自分で調整しながらバランスを取れている健全な反応と見てよいと思います。
今回(2026年7月末事例)飼い主反省(笑)
6時。朝のおやつを食べない、朝ごはんを食べない→雨が上がる→11時。ドライブして散歩→14時30分。けろっとしてガツガツ食べる、夕飯も食べる。
前の晩、夜中まで私と一緒におやつ食べたりしていたので(笑)お腹が空いていないのだ、と思っていましたが、朝ごはんも食べずに心配でしたが、数時間のことでした。
前夜の夜食の影響
夜中までおやつを食べ、朝6時の時点でまだ消化・血糖の面でお腹が空いていなかった。これは天候とは関係のない、単純な「まだ満腹」の要素。
そこに雨(気圧)が重なった
本来なら「昼前には多少お腹が空いてくる」はずが、6時〜雨が上がるまでの間、気圧低下による副交感神経優位の状態も重なり、食欲のスイッチが入らないまま朝ごはんもスルーしてしまった。
ドライブ+散歩が「スイッチ」になった
14時30分にけろっと戻ったタイミングが、雨が上がってからさらに3時間半後というポイント
- 気圧が回復して自律神経が交感神経寄りに戻ってきたこと
- 加えて、ドライブと散歩という「活動」が交感神経を後押しし、切り替えを促進したこと
の両方が重なった。気圧が戻るのを"待つ"だけでなく、軽い運動が回復の後押しになった。
⇒飼い主悪いね、物事には原因があるね(苦笑)
動画
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