目の傷が治り、通院が終わってから気が付きました。
記録として残します。
はじめに
先日、角膜に傷がついた茶々丸(狆・シニア)の治療についてお伝えしました。
治療自体は無事終わり、検査で角膜の傷が治っていることも確認済み。
獣医さんからは「治療終了、念のため残りの目薬は使い切ってください」と言われていました。
自己判断で目薬をやめた事情をお話します。
処方されていた目薬は3種類
治療終了後に使い切るよう指示されていたのは、次の3種類でした。
- ゲンタシン(抗生物質)
- ティアローズ(消炎剤)
- ヒアルロン酸(保湿)
このうち薬物過敏な茶々丸に合わなかった薬はどれか
- 胃腸への影響: 人間でも犬でも、NSAIDs系のお薬は「胃粘膜を荒らす(胃潰瘍や嘔吐の誘発)」という代表的な副作用があります。
- なぜ点眼で?: 喉に流れた液を飲み込んだり、結膜から全身に吸収されることで、過敏な犬では胃を直接刺激して嘔吐を起こすことがあります。 [
- アレルギーのリスク: 抗生物質はアレルギーや過敏症の引き金になりやすい成分です。
- 胃腸への影響: 飲み込んで胃に入った場合、胃腸の粘膜を刺激したり、腸内細菌のバランスを急激に変えることで、吐き気をもよおすケースがあります。
点眼翌日に嘔吐、でもそのときは気づけなかった
3種類の点眼を始めた翌日、茶々丸が嘔吐しました。
当時は「通院や暑さの疲れ、空腹のせいかな」としか考えず、獣医さんにも詳しく伝えていませんでした。
すでに角膜の傷は治っている段階だったこともあり、「これは目薬の副作用では?」と思い、私の判断で点眼を中止しました。
すると、みるみる元気になり、食欲もどんどん戻っていきました。
逃げ回っていたのは、3種類のうち1つだけ
今になって振り返ると、はっきり思い当たることがあります。
ヒアルロン酸のときは大人しく点眼させてくれるのに、ティアローズのときだけ激しく逃げ回っていたのです。
当時は「2番目に使う薬だから、疲れて嫌がっているのかな」くらいにしか思っていませんでした。
でも、これは薬そのものへの反応だったのではないか、と今は考えています。
ティアローズを調べてみると
調べてみると、ティアローズの有効成分はプラノプロフェンという、いわゆるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)に分類される薬でした。
飲み薬でいうと、犬用の関節炎治療薬などと同じ系統の成分です。
ちなみに、2歳のとき関節炎で病院へ行って注射後、3日間飲まず食わずで動かなくなりました。
茶々丸は極端な薬アレルギーで、ワクチン等、獣医師から止められています。
NSAIDsは、内服では胃粘膜を保護する働きも同時に抑えてしまうため、胃腸への刺激や嘔吐が代表的な副作用として知られています。
点眼薬であっても、目頭の小さな穴(涙点)から鼻涙管を通ってごく微量が全身に入る経路があるため、極端な薬アレルギー体質の茶々丸のような子では、点眼だけでも反応が出た可能性は十分に考えられます。
NSAIDs(エヌセイズ)とは
Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs(非ステロイド性抗炎症薬)の略で、日本語では「エヌセイズ」または「非ステロイド性抗炎症薬」と呼ばれます。
名前の通り、「ステロイドではない」炎症止め・痛み止めの薬のグループです。
ステロイド(副腎皮質ホルモン)と同じように炎症を抑える効果がありますが、ステロイドとは違う仕組みで効きます。
どうやって効くのか
体の中で炎症や痛み、発熱を引き起こす「プロスタグランジン」という物質があります。
NSAIDsは、このプロスタグランジンを作る酵素(COX)の働きをブロックすることで、炎症・痛み・発熱を抑えます。
なぜ胃腸に影響しやすいのか
プロスタグランジンには「炎症を起こす悪い働き」だけでなく、胃の粘膜を保護する良い働きもあります。
NSAIDsはこの両方を同時に抑えてしまうため、炎症は治まる一方で、胃粘膜の防御力も下がり、胃腸障害(嘔吐、食欲不振、ひどい場合は胃潰瘍)が代表的な副作用として知られています。
これが、ティアローズ点眼後に茶々丸が嘔吐した、という今回の推測につながる部分です。
身近な例
- 犬用の内服薬:オンシオール、メタカム、リマダイル(関節炎・術後の痛み止めなどでよく使われます)
- 人間の身近な薬:ロキソニン、イブプロフェン、アスピリンなど、いわゆる「痛み止め」の多くがこのNSAIDsに分類されます
- 点眼薬:今回のティアローズ(プラノプロフェン)のように、目の炎症を抑える点眼薬にもNSAIDs系のものがあります
ステロイド系との違い(簡単に)
| NSAIDs | ステロイド | |
|---|---|---|
| 由来 | 非ステロイド | 副腎皮質ホルモン由来 |
| 主な副作用 | 胃腸障害 | 免疫抑制、多飲多尿など |
| 効果の強さ | 比較的マイルド | 強力 |
人間用のNSAIDs系の薬まとめ
市販薬(ドラッグストアで買えるもの)
- ロキソニン(ロキソプロフェン) - 日本で非常にポピュラーな解熱鎮痛薬
- イブ、ナロンエース(イブプロフェン) - 頭痛薬・生理痛薬として有名
- バファリン(一部製品) - 製品によって成分が異なり、アスピリン系のものとイブプロフェン系のものがあります
- アスピリン(アセチルサリチル酸) - 最も古典的なNSAIDsの一つ
医療用医薬品(病院で処方されるもの)
- ボルタレン(ジクロフェナク) - 痛み止め・解熱剤として広く使われる
- セレコックス(セレコキシブ) - 比較的胃への負担が少ないとされるタイプ(COX-2選択的阻害薬)
- ナイキサン(ナプロキセン)
- インダシン(インドメタシン)
- モービック(メロキシカム) - 実はこれ、動物用のメタカムと同じ成分です
今は完治、食欲もバリバリ
「治ってから気づくなんて」と自分では情けなく感じましたが、点眼のたびに逃げ回っていたあの様子は、今思えば茶々丸なりの精一杯のサインだったのだと思います。
動物は言葉で「痛い」「嫌だ」と言えない分、態度で教えてくれる。
それを見逃さず、あとからでも気づいて記録に残すことが、次に同じ場面が来たときの財産になると。信じたいです。
目薬を中止してからは、食欲もすっかり元通り、以前のようにバリバリ食べています。
今度あったら薬の変更をお願いする
炎症を抑える「ティアローズ」が胃腸の負担になっていた場合、それを中止し、
アレルギーのリスクが低い別の系統の抗生物質(オフロキサシンなど)とヒアルロン酸のみの組み合わせに変更するなど、
体質に合わせた処方に切り替えてもらおうと思います。
同じように悩んでいる飼い主さんへ:チェックしてほしいポイント
複数の目薬を併用している場合、次のポイントを確認してみてください。
- 複数の目薬のうち、特定の薬のときだけ嫌がる・逃げ回る様子がないか
- 点眼開始後に嘔吐や食欲不振が出ていないか(暑さや疲れのせいと決めつけない)
- どの目薬が何という成分か、成分名まで確認しているか(NSAIDs系かどうかは特に注目)
- 異変があった場合、どのタイミング・どの薬の後だったかをメモしておく
一つでも当てはまる場合は、自己判断で様子を見続けず、早めに獣医さんに相談することをおすすめします。
複数の目薬を使っている場合は、どの薬のタイミングで異変が出たかを記録しておくと、獣医さんへの説明がスムーズになります。
本記事は筆者の実体験に基づく記録であり、獣医学的な診断や治療方針を示すものではありません。愛犬の体調に異変を感じた場合は、必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。
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