毎日使う犬の食器。
何を選ぶかで、お手入れのしやすさも、安心感も変わります。
今回は、先代犬の頃から今の茶々丸(12歳)まで、水入れとごはん用の器をどう選んできたか、そしてなぜやめたのかを振り返ってみます。
先代犬が嫌がった、プラスチックの臭い
きっかけは、先代犬でした。プラスチックの臭いを嫌がったので、茶々丸には、犬用の水筒や給水器を使いませんでした。
「犬がプラスチックの臭いを嫌がる」ことを直接調べた研究は、私の知る限りほとんどなく、科学的に証明されているわけではありません。
ただ、犬の嗅覚は人よりずっと鋭いので、人が気づかない臭いを感じていても不思議ではないと思います。
人でも、器によって味の感じ方が変わると言われているくらいですから、嗅覚の鋭い犬なら、なおさらです。
そのほか、プラスチックの食器は、傷がつくと細菌が繁殖しやすく、犬のあごのニキビ(犬のざ瘡)の一因になることがあると言われています。
食べたり飲んだりするたびに、あごが器にこすれるためです。
ただ、原因は食器だけではなく、体質などもかかわるので、食器を替えれば必ず治る、というものではありません。
マイクロプラスチックについては、人にも動物にも粒子が見つかったという報告がありますが、健康への影響は、まだ研究の途中です。
不安をあおるつもりはありませんが、避けられる場所では減らしておく、という考え方で、我が家は選んでいます。
水入れ:ヒト用の食器と、内側ステンレスの水筒
茶々丸の水入れは、自宅ではヒト用の食器に水を入れています。
お出かけには、茶々丸専用の、内側がステンレスのヒト用水筒を使っています。
カフェでもそれで飲むので、「上手に飲むのねー」と驚かれます。
ステンレスは傷がつきにくく、洗いやすく、臭いも残りにくいのが良い点です。
水筒の飲み口やパッキンは、水垢やぬめりがつきやすいので、パッキンを外して洗い、よく乾かすようにしています。
英国アンティークのガラスをやめた理由
茶々丸は、ずっと英国のアンティークの、水色の美しいガラスを水入れにしていました。
ところが、古いガラスには鉛などが溶け出す可能性がある、という話を目にして、気になりました。
鉛が入っているかどうかは、見た目では分かりません。水を入れる程度なら、溶け出す量は少ないとされていますが、毎日使う器としては避けたいと思い、今は、食品用のデュラレックスのガラスボウルに替えました。アンティークは、飾って楽しんでいます。
デュラレックスは強化ガラスで、ふつうのガラスより割れにくいですが、「割れない」わけではありません。強い衝撃や急な温度差では割れることがあるので、そこは気をつけています。
ごはん用の器:ル・クルーゼをやめた理由
ごはん用には、長い間、ル・クルーゼの食器を使っていました。
普通の形と、高台のついた形の2種類です。
やめた理由は、底の処理でした。
ひっくり返したときの底(高台の部分)が、日本の陶器と違って、荒くざらざらしていて、黒ずんでくるのです。
漂白剤を使って洗っていましたが、毎日のことなので、だんだんストレスになりました。
こうしたストーンウェアは、底の接地面に釉薬をかけず、素地がむき出しになっていることが多いそうです。
素地は水や汚れを吸い込みやすく、湿ったままになりやすいので、黒ずみやすいのだと思います。
今は、百貨店で購入した、作家さんの和食器を使っています。
作家さんの名前は忘れてしまいましたが、丈夫で、安心して使えています。
素材ごとの気をつけたいところ
食器を選ぶときに、私が調べて気をつけるようになった点を、素材ごとにまとめます。
| 素材 | 気をつけたいところ |
|---|---|
| プラスチック | 臭い、傷による細菌の繁殖、熱や酸での粒子の放出。避けられる場所では減らす |
| ガラス | 鉛ガラス(クリスタル、古いもの)、外側や縁の絵付け、欠け・ひび。食品用で無地が安心 |
| 陶器・磁器 | 釉薬や絵付けの鉛・カドミウム、焼成が不十分なもの、ひびや欠け。内側が無地でつるんとしたものが安心 |
| ステンレス | 安価なものは錆びやすい種類や、仕上げが荒いものがある。「18-8」「SUS304」などの表示、縁がなめらかで塗装のないものが安心 |
陶器・磁器、ステンレス、ガラスの注意点
陶器・磁器は、安価だから危険というわけではありません。日本で食器として売られている陶磁器は、食品衛生法で鉛やカドミウムの溶け出す量の基準が決まっています。
気をつけたいのは、海外の土産物や、装飾用の食器、出どころ不明のものです。内側に絵付けがあるものは、特に注意が必要です。傷んだ釉薬も、溶け出しやすくなります。
ステンレスは、安価なものの中に、錆びやすい種類が使われていることがあります。塩分や酸性の食品を長く入れると、錆びたり、金属が溶け出したりしやすくなります。錆が出てきたら、買い替えのサインです。
ガラスは、素材としては心配が少ないほうですが、鉛ガラス、外側の絵付け、薄くて欠けやすいものには注意が必要です。
100均の、色付きの器について
100均の器が、すべて危ないわけではありません。
ただ、犬の食器としては、色や柄がついているものは避けたほうが安心だと、私は考えています。理由は、次のとおりです。
- 鮮やかな色や絵付けの顔料に、鉛やカドミウムが使われていることがある(基準を満たした製品なら問題ありませんが、手に取っただけでは確認できません)
- 雑貨やインテリア用で、食器として作られていないものが、同じ棚に並んでいることがある
- 絵付けや印刷が、洗っているうちにはがれたり、色が落ちたりすることがある
選ぶなら、パッケージや底に「食品衛生法に適合」「食器用」などの表示があり、内側が無地で、色や柄のないものが安心です。
毎日使うものなので、安さよりも、表示と無地であることを見て選ぶようにしています。
「特別な焼き物」でなくても大丈夫
犬用の食器を調べていると、遠赤外線やマイナスイオン、電磁波などをうたう、特別な焼き物をすすめているサイトを見かけることがあります。
私もずっと気になっていたので、調べてみました。
- 遠赤外線は、熱を持つ物体なら、お鍋でも食器でも人の体でも、みんな出しています。食器から出る量はごくわずかで、「食べ物が変わる」「体が温まる」ほどの効果は、期待しにくいようです。
- 電磁波と聞くと、家電や携帯電話を思い浮かべて、不安になる方もいるかもしれません。でも、食器から出る遠赤外線は、熱として感じる種類の電磁波で、それらとは別のものです。
- 私が調べた範囲では、こうした効果を、第三者の検査や研究で確かめたものは見つかりませんでした。
もちろん、そうした焼き物が悪いということではありません。食器として安全に作られていて、傷がなく、洗いやすいなら、使えない理由はないと思います。
ただ、「犬にはこの焼き物でなければ」ということは、ありません。
先ほどのチェックポイントを満たしていれば、ガラスでもステンレスでも、ふつうの陶器でも、十分です。
気になる商品があるときは、鉛やカドミウムの溶出試験の結果を、メーカーに問い合わせてみるのも一つの方法です。
犬用食器、どう選ぶ? 私のチェックポイント
- 食品用として作られているか(インテリア用や装飾用は避ける)
- 口が触れる内側が、無地でなめらかか
- 傷、欠け、ひび、錆がないか(あったら買い替える)
- 臭いが気にならないか(犬は人より敏感)
- 洗いやすく、乾かしやすいか(底の処理まで見る)
- 体に合う大きさと高さか
食器の素材には、それぞれ長所と短所があります。「これが絶対に良い」というものはなく、愛犬の様子と、毎日のお手入れのしやすさを見ながら、選んでいけばよいのだと思います。
先代犬の経験から始まった、食器選びの振り返りでした。茶々丸の様子を見ながら、これからも続けていきます。
お読みくださり、ありがとうございます。




