モデルはルノワールの狆と同じ子
以前、ルノワールが描いた狆のお話をしました。今回は、マネが描いた狆をご紹介します。
モデルは、ルノワールの狆と同じTAMAです。TAMAは、日本からフランスへ船旅をしただけあって、とても元気な子でした。画家マネは、TAMAを絶対アトリエに入れませんでした。
この絵、下方をご覧ください。日本のお人形が壊されています!
画家マネ
19世紀パリで活躍した画家マネ。1832年ー1883年。代表作は「笛を吹く少年」。
当時、ルノワールやモネら印象派の画家たちは、自然界に黒という色は存在しない、と黒色は使いませんでした。
「すみれの花束をつけたモリゾ」
マネは「黒の魔術師」と言われます。
ジャポニズムのパリで、日本犬の白黒狆に黒色を使った作品。ルノワールのTAMAと違いすぎて、びっくりします。
マネ「タマ、日本犬」1875年ごろ、ワシントンのナショナル・ギャラリー所蔵。
狆の絵を依頼したデュレ
ルノワールとモネ、二人の画家に狆の絵を依頼したのは、美術評論家デュレです。マネが描いたデュレです。
デュレは、TAMAの飼い主チェルヌスキと東洋を旅行しました。美術評論家として影響力を持ち、当時酷評されていた印象派を擁護します。
チェルヌスキが連れ帰った日本狆犬をモデルとし、親しいマネに描いてもらいます。1875年。
さらに印象派のルノワールにも描いてもらいました。1876年。
動画
二人の画家が描いた狆のTAMA。当時の華やかなジャポニズム旋風に、小さな日本犬が海を渡って人々を魅了したことが伺えました。
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